「Windows 10 S」が登場し、「Windows 10 Fall Creators Update」の正式リリースが間近に控えるなか、「Spotify」「Inkscape」「Krita」などなど、大物アプリが続々と“ストア”への登場を果たしています(そういえば「iTunes」はいつになるんでしょう?)。

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しかし、その流れに水を差すかのような、ちょっと気になる問題を耳にしました。――“ストア”で購入した「Adobe Photoshop Elements 15」が「Windows 10 S」で動作しないという不具合が発生しているのだそうです。

IMPORTANT: This app works with Windows 10 Pro and Home, but DOES NOT WORK WITH WINDOWS 10S. Microsoft and Adobe are working to fix this issue.

「Adobe Photoshop Elements 15」の“ストア”での注意書き

ちょうど手元に“Surface Laptop”と「Adobe Photoshop Elements 15」のライセンスがあったので実際に試してみたのですが、“ストア”での注意書きの通り、「Windows 10 S」で「Adobe Photoshop Elements 15」を動作させることはできませんでした。

どうやら初期化処理の際に「Windows 10 S」でブロックされているリソースへアクセスしており、プロセスがクラッシュしてしまうようですね。この不具合はいずれ解決されるでしょうから、それを気長に待ちましょう。

それよりも問題は、こうしたトラブルが他のアプリケーションでも発生しないかということです。“ストア”にアプリがあるから大丈夫と思って「Windows 10 S」デバイスを購入したのに、肝心のアプリが動作しないでは困ります。

また、「Windows 10 S」は機能が制限されたロックダウンモデルなので、「Windows 10 Home」や「Windows 10 Pro」では可能なワークアラウンド(回避策)が使えないことも考えられます。コマンド一発で直るささいな問題であっても、「コマンド プロンプト」や「PowerShell」が使えない「Windows 10 S」では直しようがなかったりします。

開発者がアプリを“ストア”で公開できるようにパッケージングする際、「Windows 10 S」でテストしてくれればよいのですが、それもなかなか難しいのが現実です。Microsoftは「Windows 10 S」のインストーラーを提供していますが、仮想マシンはサポートしていないため、実機(しかもライセンスの高い「Windows 10 Pro」が入った!)を1台、「Windows 10 S」のために犠牲にしなくてはなりません。

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新しいOSが生まれれば、多少の互換性問題が発生してしまうのは仕方のないことです。しかし、「Windows 10 S」環境でテストせずとも機械的に問題を検出できる仕組みを整えるなど、できるだけ早めに対策を取らなければ、せっかくの「Windows 10 S」の価値が伝わらず、普及を妨げる結果になりはしないかと少し心配になりました。

□おまけ

「Windows 10 S」では「コマンド プロンプト」や「PowerShell」のほかにも、“Windows Subsystem for Linux(WSL)”などが利用できないことが公表されています。つまり、“ストア”から「Ubuntu」や「SUSE」をインストールすることはできません(もしくは、しても動作しない)。年内ならば「Windows 10 S」から「Windows 10 Pro」へのアップグレードは無料なので、これらの機能を使いたいユーザーはアップグレードしておくべきでしょう。

 

 

 

 

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